外科手術のご案内

外科手術のご案内

ダイオードレーザーを導入し、
「糸を使わない手術」を行います。
通常よりも早い回復が期待できる様、
統合医療を取り入れています。

手術は月曜日から土曜日(木曜日、祝日を除く)に行っております。 緊急性がある場合を除き、予約制となっています。

当院で行っている手術の一例

生殖器

避妊手術、去勢手術、子宮蓄膿症、帝王切開、停留睾丸摘出

子宮蓄膿症の治療は、基本的に手術(卵巣子宮摘出術)をお勧めしていますが、心臓・肝臓・腎臓等が著しく悪く、麻酔リスクが高すぎる、高齢、飼い主様が手術を希望されない場合などには、アリジン(アグリプリストン)という注射薬を使用することもできます。全ての子が完治するわけではありませんし、しばらくしてから再発する可能性もありますが、現時点の状態より良くしてあげられる可能性は非常に高いですし、手術を回避できたことも数多くある注射薬です。

腫瘍

体表(皮膚)腫瘍、乳腺腫瘍、肛門腺腫瘍、腹腔内腫瘍摘出(脾臓、腸管、肝など)、 口腔内腫瘍(悪性メラノーマなど)

消化器

胃内異物除去、腸内異物除去、腸閉塞、胃捻転、腸重積

泌尿器

膀胱切開、尿道切開(膀胱結石、尿道結石の摘出等)、会陰尿道瘻形成術

整形外科

前十字靭帯断裂、大腿骨骨切除(レッグ・カルベ・ペルテス、股関節脱臼等)、 橈尺骨骨折(非観血的)、肘関節脱臼(非観血的)

眼科

マイボーム腺腫、角膜潰瘍、チェリーアイ(第三眼瞼腺脱出)、眼球摘出(腫瘍化した場合等)

形成外科

臍ヘルニア、鼠径ヘルニア、会陰ヘルニア

歯科

歯周病(歯石除去、抜歯、縫合等)※歯石除去の際はポリッシングも行います。

手術は、飼い主様、わんちゃんねこちゃん、皆様が不安を感じられると思います。 当院での手術は、出来る限り皆様に安心していただける様、手術が適用かどうかの有無、手術方法、安全な麻酔や鎮痛処置、体への負担を軽減するダイオードレーザーの使用、手術後の状態管理、入院期間、費用、退院後の注意点などについて詳しくご説明できます。 ご心配な点などありましたら、お気軽にご相談ください。

麻酔について

当院では最新式の動物用生体情報モニターを導入しております。その子の状態に合わせた麻酔薬の選択、麻酔中のモニター(心拍数や SpO2「動脈血酸素飽和度」などをみること)を確実に行い、安全に麻酔がかけられるように 配慮をしています。注射麻酔後、気管挿管を行い、ガス麻酔で維持します。麻酔中は必ず麻酔専門で1名つき、安全に麻酔ができているか、常にチェックしています。 ガス麻酔は人間の医療でも行われており、安全に維持でき、ガス麻酔を止めることで、速やかに覚醒します。(目覚めます。)

    最新式の

動物用生体情報モニター
からわかる9つの項目    

  • ECG(心電図)、心拍数
  • CO2(終末呼気二酸化炭素分圧)
  • SPO2(末梢動脈血酸素飽和度)
  • BP(非観血血圧)
  • FiO2(吸気酸素濃度)
  • Agent(麻酔ガス濃度)
  • TEMP(体温)
  • 観血血圧
  • 換気量

鎮痛について

麻酔前、麻酔中、麻酔後まで、必ず鎮痛処置(痛みを抑えること)を行い、できる限り負担を減らすように心掛けています。 また、当院の手術はすべてダイオードレーザーを用い、極力「糸を使わない手術」を行います。それにより、体の負担が減り、痛みは少なく、術後の回復も早くなります。

わんちゃんねこちゃんを第一に考え
体への負担を減らした手術を行います。

避妊・去勢手術(不妊手術)について

当院ではすべて、ダイオードレーザーを使用して手術をしております。血管・組織等を、糸を使わずに止血・切開ができるため、出血量が少なくなります。お腹の中に糸を残さないので、異物反応も起こりません。(縫合糸反応性肉芽腫(無菌性脂肪織炎)という病気を起こしません。) 手術時間が短縮でき、手術後の痛みも少なくなります。

メリット

  • 将来予想される様々な病気を予防することができます。女の子の場合:子宮蓄膿症、子宮内膜炎、卵巣腫瘍、乳腺腫瘍、偽妊娠など。男の子の場合:精巣腫瘍、前立腺肥大、肛門周囲腺腫、会陰ヘルニアなど。
  • 望まない妊娠を避けることができます。
  • マーキングやマウンティング、遠吠え、ケンカなどの問題行動を改善できる可能性があります。
  • 発情に伴うストレスや体調の変化から解放されます。

デメリット

  • 太りやすくなります(食事や運動の管理で予防できます)
  • 女の子のワンちゃんの場合、まれに尿失禁(尿漏れ)を発症することがあります。(お薬を続けることで 漏れないように することが可能です。)

手術に適した時期は?

女の子の場合

一回目の発情(生後6~8 か月で来ることが多い)の前に避妊手術を行うと、乳腺腫瘍の発生率が、ほぼ0%になることが分かっています。当院では基本的に、生後6か月を過ぎた段階で行うことをお薦めしています。

男の子の場合

生後 6~8か月をお薦めします。その時期を過ぎた場合でも、少しでも若いうちに手術をした方が、麻酔のリスクは少なくなります。
ご心配なことがありましたら、お気軽にご相談ください。

腫瘍摘出手術について

腫瘍とは体の表面や体の中に、異常な細胞が固まってできる「できもの」のことです。大きく分けて、良性腫瘍悪性腫瘍があります。皮膚、乳腺、肛門腺、腹腔内(脾臓、腸管、肝など)、口腔内など、様々な場所にできる可能性があります。現在、ワンちゃん、ネコちゃんの死因で一番多いのは悪性腫瘍 (がん)と言われています。早期発見・早期治療が大切です。

良性腫瘍

基本的に体に悪影響を及ぼすことは少なく、命を脅かさない可能性が高い「できもの」 のことです。ただ、放っておくと悪性化することもあります。良性腫瘍は手術で取りきれるものが多く、再発する可能性は低いです。小さなイボのようなものでしたら、全身麻酔をかけずに、凍結療法(クライオサージェリー) やレーザー治療で小さくしていくこともできます。

悪性腫瘍(がん=癌)

がん細胞は体の中で制限なく増え続けます。 その過程で体の栄養を奪っていき、体重が減ったり、 低タンパク、貧血状態になったりします。そのため、 余計にがん細胞は増えやすくなります。原発部位で 増えるだけでなく、肺などに転移することで、死に至らしめることがあります。

腫瘍の検査

触診、血液検査、レントゲン検査、超音波検査、細胞診、病理組織検査など、様々な方法を組み合わせて、検査を進めていきます。その上で、治療方法に関してご相談させて頂きます。

腫瘍の摘出

手術が安全に行えるかどうか、事前に血液検査やレントゲン検査を行わせて頂きます。その上で、摘出可能な場合には外科手術を実施します。

切除できない、希望しない場合

高齢・心臓病があるなどの理由で、麻酔がかけられない、手術で取りきれない腫瘍ができてしまった、あるいは麻酔を希望されない場合などには、統合医療(西洋医学と代替療法を組み合わせて行う医療)のご提案も可能です。手術のように、腫瘍がなくなるケースは少ないですが、腫瘍の進行を緩やかにし、飼い主様と一緒に過ごせる時間を少しでも長くしたり、痛みや苦しみを軽減できたりする可能性はあります。

当院の統合医療ページ

凍結療法(クライオサージェリー)について

クリオアルファ(CRYOALFA)という医療機器を使用して行います。 凍結療法(クライオサージェリー)とは、組織を超低温(-89℃)で凍結することにより、細胞を破壊し、イボや小さな腫瘍などの不要な組織を自然に脱落させる方法です。

治療方法

イボや小さな腫瘍などの不要な組織を液体亜酸化窒素(N2O)で凍結させ、体温で解けたらまた凍結させます。小さな組織なら通常、2〜3回程度行います。1〜2週間後に状態を確認し、必要なら再度、同じ治療を実施します。

処置後について

治療直後は周りが赤くなりますが、時間が経つと消えます。 翌日以降、水ぶくれができることがありますが、数日で落ち着きます。 表面にかさぶたができますが、1〜2週間後には正常な皮膚に戻っていきます。

凍結療法のメリット
  • 無麻酔で行うため、心臓が悪い子や高齢の子も行うことが可能です。
  • 麻酔なしでも、痛みをほとんど感じません。
  • 処置時間は短いです。
  • 手術よりも安価で手軽に処置ができます。

凍結療法が適用になるものとならないものがあるので、 事前に診察で確認します。顔、耳、足先、皮膚等に、小さなイボや腫瘍があり、 出血することがある、次第に大きくなってきた等、 何か気になることがある場合はご相談ください。